自衛隊のイメージというと、どんなものでしょうか?
親戚のおじさんが行ってるところ
災害派遣で助けてに来てくれる人たち
迷彩服を着てる集団
不発弾処理をしてるニュース
なぜか街中に柵があるよね
そんなイメージですよね。
そう、実は僕その柵の中にいました。東部方面隊の施設科の陸士でした。
僕は短期間で自衛隊をリタイアしてしまったので
災害派遣や国際協力の任務に就くことはありませんでした。
しかし、
必ず想定外が発生するということを学んだ
自衛隊は軍隊ではないと憲法上表記されていますが、
- 戦闘ができるということは敵がいるということです
- 敵がいるってことは邪魔が入るってことですね。
自衛隊の訓練では1つの目標を達成するために行動を起こしても必ず敵の邪魔(
つまり
予定通りにいかなくて当たり前
想定外なんて起きて当たり前
ってことなんでです。
- バイクで偵察に行けばバイクが故障する
- 来るはずの補給車がたどり着けない
- 突然通信機器が壊れて通信不能になる
海千山千の想定外がたくさん発生します。
とはいえ、想定外だって想定しておけばリスクではありませんからね。
何をするにしても必ず想定外が発生するということを学びました。
状況を判断して決断を下すこと
想定外が起きたらどうしたらよいでしょうか?
軍隊ではこうします。
観察
自分の置かれた状況、敵の状況、自分の任務を再確認する
意思決定
任務を達成するために何をするべきか意思決定する
行動
行動を開始する
このアクションを起こすことで、
「ODAループ」とか、「OODAループ」と呼ばれる仕組みですね。
ものすごく簡単に一言で説明すると
[決断のためには何が必要か
では、何を基準に意思決定を判断するのでしょうか?
とてもシンプルです。
優先事項を決めて最優先事項を達成する
これだけです。最優先事項さえ決めてしまえば「何をすれば良いか」を判断するのがとても簡単です。
「よし、じゃあこうしようぜ」という言葉を僕は自衛隊で1,
自分の頭で考えて、
僕は下っ端の階級でしたが、
みんなで力を合わせること
作戦を成功させるためには、みんなで力を合わせることがとても大事だと学び
チームワークですね。さて、ところでチームワークっていったい何でしょう?
仲良くすること?
みんなで頑張ること?
少し抽象的ですね。
自衛隊にとってのチームワークとは
自衛隊のチームワークについては、僕の理解はこうです。
良いチームワークとは、
作戦目標を達成するための手順はこうです
- そもそも全体として何を達成したいか理解させる(最優先事項の決定)
- 1個部隊として、
全体目標の達成のために何をすべきか認識させる - 個人が部隊の目標達成のために何をすべきか認識させる
教官
「あれ?俺ここで何のために何をしたらいいの?」
それこそがチームワークだと僕は理解しています。
チームワークの概念は民間に転籍した今でも、プロジェクトを進めていく上でとても役に立っています。
振り返ること
自衛隊の訓練では必ず”振り返りの時間”
- 我々はなにをしようとしたか
- 実際には何が起きたか
- なぜその結果になったか
- 次のためにどう改善するか
この振り返りをAARと呼びます。
AAR(After Action Review)という振り返りの会を必ず開きます。
先の大戦では必死の思いで生き伸びた将校・兵士を「腰抜け」
しかし、次の戦闘のために一番重要なのは失敗したデータです。
結果的に「なぜ我々はその局面で負けたか」
しかし、今の自衛隊は違います。
AAR(After Action Review)を実施し、
AARの手法を用いて分析をすれば、なぜ失敗したかを理解して改善ができます。
- 我々はなにをしようとしたか
- 実際には何が起きたか
- なぜその結果になったか
- 次のためにどう改善するか
「良いところを伸ばして、悪いところを減らす方法」
見た目がとても大事だということ
自衛隊では徹底的に見た目にこだわります。
服の着こなし、アイロン掛け、髭の剃り残し、靴の輝き、ベッドメーキングetc
国民に信頼感を与えるために徹底的に病的なまでに見た目にこだわります。
しかし、やはり見た目は重要だと今でも思いますね。
現在はビジネスの世界にいますが、見た目がだらしない人は仕事もだらしないです。
だらしない見た目では信頼感を与えられませんし、良いことはないですね。
靴磨きについてはこちらの記事を参照ください。
自衛隊で習った人生を変える靴磨き【鏡面磨きに必要な道具・コツ】徹底的に見た目にこだわる。
これはビジネスをする上で今でもとても役に立っている教訓です。
自衛隊で失敗した点
自衛隊生活で失敗した点もあります。
ストレス管理ができなかった
自衛隊生活では24時間誰かと一緒にいる、というストレスをうまく対処できませんでした。
- 自分のプライベートスペースはなし
- 先輩に気を使いすぎた
- 真面目な人が損をする
真面目な人が損をするってのが一番のストレスでした。
30代になった今なら「まーどこもそんなもんよ」と受け入れらるのですが、当時20才くらいの若造の僕には受け入れられない世界でした。
- 真面目にやれば仕事が増える、かといって出世するわけではない
- 適当にやっても給料は変わらない
この世界を受け入れるには、当時の僕は未熟でした。
今もし、もう一度陸上自衛隊に戻ったら最低限の仕事だけしてダラダラ過ごすんじゃないかと思います。
仕事してもしなくても給料変わらないしクビにはなりませんからね。
そういう評価システムの組織でモチベーションを保つ秘訣ってなんでしょうか?僕はいまだに分かりません。
自衛隊を退職したあとに仕事は見つかるのか実体験で説明します。役に立つスキルは何だろう。民間と自衛隊の違いは何まとめ、それでも自衛隊入ってよかったと思ってる
自衛隊、中から見て経験した僕ですが思うことは
「色々あったけど1度自衛隊入ってよかったな」
ということです。
体力、状況判断、優先事項の決定、根性、見た目を磨く、仲間を大事にして協力するという人生で役に立つことを学びました。
自衛隊で習った手法、経験は退官した今でも大いに役に立っています。
作戦と同じで、人生だってうまくいかなくて当たり前。
何か障害が発生した時に、いかに自分で判断して決断をするかという意思決定を自衛隊は教えてくれました。
そして、自衛隊は日陰者と罵られるくらいでちょうどいいと僕は思っています。
それはこの国がミリタリーパワーを必要ないくらい安全で平和ということですから。
それでは、全国の自衛官の人に敬意を表して、この記事を終わりたいと思います。
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