⇨これまでの人生で買ってよかったもの一覧

自衛隊通訳で使うミリタリー略語

こんにちわ。

 

僕は自衛隊の通訳として米軍基地に配属されて中隊長の通訳や訓練調整を米軍相手に行っていました

 

徹底的にミリタリー英語を勉強するために、ミリタリー英語辞書を読むのはもちろん、戦争映画もたくさん見て英語を勉強していました。

参考:元陸自英語通訳の勉強方法

そんな中でよく使ったのはこの4つ。

 

 

英語を伝えるだけなら英語を勉強すればなんとかなりますが、ミリタリーで使うとなると少しの工夫が必要です。

そんなネタを記事にしてお伝えします。

 

軍隊のコミュニケーションは命令を伝えること

軍隊では徹底した上下関係があります。指示は全て命令形になります。

 

「○○してくれますか?」のような伝え方はしません。戦場の状況は刻一刻と変わるので忙しいからです。相手の返事はRogerNegativeの二つだけです。

「□□軍曹、○○を実施せよ」のような口調で命令します。

上官の命令があって、初めて兵隊は動けます。

 

Do you Copy!?

Do you copy!?

訳:命令がきちんと伝わったか!?

 

ミリタリーの作戦では命令の伝達が全てです。

 

上官の命令なしに勝手に行動はしませんし、上官の命令がきちんと伝わらないと規律の意味を成しません。

 

伝わったかどうか、が作戦の成果、および個人の死に直結します。

きちんと命令を理解してるかどうか確認するときにこの言葉を頻繁に使います。

Do you copy!?

返事はお決まりの

Yes,Sir!!

 

が基本です。

 

Sit rep

“Sit rep!!”

訳:状況を報告せよ

 

ミリタリーの作戦では敵が必ずいるので、状況が刻一刻と変わります。

 

もしかするとさっきまで無線で連絡取っていた仲間はスナイパーに撃たれているかもしれないし、敵の仕掛けた地雷に引っかかっているかもしれません。

民間の組織のようにPDCAサイクルなんて回しません。OODAが基本です。

Observe (観察)、Orient (状況判断、方向づけ)、 Decide(意思決定)、Act (行動)で状況を常に把握しておく必要があります。

 

そんなときに役に立つのが

 

“Sit rep!!”

訳:状況を報告せよ

 

という一言です。これは

Report your situationの略です。

 

“Alpha to Bravo, Sit rep!”

こんな感じで使います。

 

無線通信は傍受されて位置を割り出される可能性が高いので極力短時間で行う必要があります。

 

なので長々とReport your situationと伝えると一秒くらい掛かってしまうので少しでも略すことが重要になってきます。

 

この場合、返事は

This is Bravo.Grid 1221 1491 Engaging.

こちらブラボー、位置情報1221 1491 交戦中

などと伝えます。

 

Oscar Mike! ETA 10mins

“Oscar Mike! ETA 10mins”

訳:移動中!到着予定10分

 

これは少し独特なミリタリー表現かもしれません。

“On the move! Estimated time of arrival 10 minutes”

の略です。長いですね。

 

Oscar Mike ! っていうのはNATOのフォネティックコードで

O=Oscar

M=Mike

OM=On the Moveの略です。これは米軍兵士の間でよく使われる表現です。

陸自の兵士に言って通じたことはありません。そのときはOn the Move!と言い換えましょう。

 

 

Mission accomplished RTB

Mission accomplished RTB

訳:状況終わり。基地に帰ろう

 

RTB=Return to Base

訳:基地に戻ろう

訓練終わりに言う一言で僕の一番好きな単語でした。

これを無線で伝える時の疲れが一気に軽くなる感覚と言ったらこの上ないですね。

泥と汗だらけで一入の感情を込めて

あーーーるてぃーーびーーー!!と無線に伝えるのが通訳の醍醐味かも知れません。

 

なんだか懐かしくなってきますね。

 

 

まとめ

 

ミリタリー英語は様々な略語や俗語がたくさんあります。

略語を使う目的は短時間で無線通信を済ませることで相手に位置がばれないためが一番大きな理由です。

映画プライベート・ライアンでは

FUBAR=F〇cked up beyond all recognition

訳:く〇野郎のせいでしっちゃかめっちゃかだよ

という表現がありました。WW2のころから米軍は俗語が好きですね。

 

もうひとつ実際に僕に使われた表現で好きなのを紹介します。

 

 

“Interpreter, Appreciate your Coop, take your BOI

訳:通訳さん、協力ありがとうよ。BOI持っていけよ

 

BOI 何だと思います?

 

 

僕が米軍から手渡されたのは

 

 

Beer on Ice(冷たいビール) でした。

 

参考:元陸自英語通訳の勉強方法

2 Comments

億眼美子

病院勤務の医薬翻訳やってる元帰国子女のおばちゃんです。アラフィフでミリオタで、中学の息子をミリタリースクールのサマーキャンプに送り込みたくてミリタリーサイトを徘徊していて、ミリタリーサイトにはまってしまいしたが、背景がつかめずなかなか語彙がわからず。検索してこちらに漂流してまいりました。あ、息子にはサマーキャンプは拒否られました。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。